ラストやストーリーは語らないでとのお願い
冒頭にザック・スナイダーのコメントで、ネタバレしないようにとお願いされました。これはネット社会においてどんでん返しのある映画を出しにくいため苦肉のお願いであるのだろうけれど、内容への期待度を上げてしまう。うまくいけばいいけれど、面白くなかったときのがっかり感を増長させる欠点がある。
IMAXでの大迫力
試写会にてIMAXレーザーで鑑賞しました。IMAXが初体験だったので画面の大きさと美しさに感動したものの、欠点にも気づいた。大画面過ぎて引きで絵を見られない。ストーリーよりも映像で満腹になる。
ジェシー・アイゼンバーグがきらり
レックス・レーザーという企業人役を演じていた。彼のセリフ回しが実に不快で、いい意味で印象に残る。時折、声のトーンを上げキンキンと耳障りだ。スピーチの最中、ぴたりと話すのを止めてしまいぼそぼそと自問自答するシーンなど、情緒不安定で狂気じみた役作りを印象付けてくれた。『ソーシャルネットワーク』でもそうだったけれど天才肌の演技がうまい役者さんだと再実感した。
バットマンはファットマン
どうしても『ダークナイト』三部作のクリスチャン・ヴェールと比較してしまう。いや、それ以前のバットマンと比べても史上最大にぼってりしていた。ベン・アフレックは高身長なのにも関わらず、横幅がある分、どてっとしていて鈍重そうで動きも鈍い。コウモリって細くて鋭いイメージだし、まるで吸血コウモリが腹いっぱいに血を飲んだ後みたいだった。また、スーパーマンが引き締まっているだけに対比で余計に目立つ。何よりもおかしかったのはサーチライトで雲にバットマンマークを映すシーンで、バットマンマークがダークナイト三部作のときと比べふとったコウモリシルエットになっているところだ。このあたりの配慮がウケを狙っていたのかどうかわからないが、笑ってしまった。
ワンダーウーマン
あまり多くの登場シーンはないが、見た目に反してかなり強くてバットマンの立場がないほどに強い。見せ所のシーンも彼女のテーマソングがそれまでのシリアスな曲から転じて、これも笑ってしまった。DCはシリアス路線でマーベル程笑いはない。マーベルのように意図したコメディ感ではなく、悪い意味で笑われてしまう演出が目立った。
総じてマーベルの方が面白い。それは二番煎じになってしまっているからだろう。『ダークナイト』三部作が圧倒的にすばらしく、マーベルとは違ったカラーで棲み分けできていたのだが、今回の『バットマン vs スーパーマン』ではマーベルに寄っていってしまったことが非常に残念だ。『マン・オブ・スティール』にしても『ダークナイト』のノアール感を幾分引き継いでいたのに、今回はそれがずいぶん弱まっていた。
☆☆★★★
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